若年性乳がん・卵巣がんと遺伝子の関係と検査方法

若年性乳がん・卵巣がんと遺伝子の関係と検査方法

乳がんのうち、次の特徴のある場合は遺伝の要因が強くあると考えられています
(患者全体の全体の5~10%と推測されている)

 

  • 若い年齢(40歳以下)で乳がんを発症する
  • 両方の乳房に転移するわけではなく、片側に独立して乳がんを発症する
  • 血縁者の2世代以上にわたって乳がん発症者がいる
  • 血縁者に卵巣がんの発症者がいる
  • 乳がんと卵巣がん両方を発症する
  • 男性の近親者に乳がんを発症した人がいる

 

BRCA1/2遺伝子に生まれつき変異のある遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)

日本人の乳がん患者を対象にした調査では、家族歴のある(第2近親以内に乳がん・卵巣がん発症者がいる)人の26,7%にBRCA1/2遺伝子に変異が確認されました。
その結果から推測するに、日本人の乳がん患者の2%から4%に遺伝子変異があり、発症の原因になっているのではないかと考えられます。

 

遺伝子配列のBRCA1とBRCA2に変異を持っている女性は、一生のうち乳がんを発症するリスクが約87%、卵巣がんを発症するリスクは50%あります(もちろん、変異を保有していてもまったく病気にならない人もいます)。
男性ではBRCA1/2に遺伝子変異を持っていても、すい臓がん・前立腺がん・男性乳がんになる人は少ないです。

 

BRCA1とBRCA2に変異の見られる人を「遺伝性乳がんと卵巣がん症候群・HBOC(Hereditary Breast Ovarian cancer)」と呼び、発症予防のための人材育成・医療機関や法的整備が進められています。

 

遺伝性の乳がん・卵巣がんについて相談・遺伝子検査できる病院の探し方

がん治療をしている医療機関でも、遺伝性の乳がん・卵巣がんに対応した遺伝カウンセリング外来や遺伝子診療部門が増えてきているので、発症前後の相談や遺伝子検査についての説明を受けられます。

 

遺伝カウンセリングをしている病院は、国立がん研究センターの『がん情報サービス』というサイトから「日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医」という専門医療職で検索可能。
がん研究センターのがん情報サポートセンターでは電話案内(ナビダイヤル)をしています。
また、遺伝子関連製薬会社・ファルコバイオシステムズの公式サイトからも提携病院を一覧で見ることができます。

 

若年性乳がんについて

2004年から2009年の間に日本乳癌学会に登録された女性乳がん109,617症例のデータによると、乳がんは40代・50代の患者が最も多く、平均年齢は57,4歳です。

 

その中で35歳以下という、結婚・妊娠・出産に大きく影響が出るであろう若い年齢で発症しているケースを、若年性乳がんと定義しています。
厚生労働省の調査によると、若年性乳がんには次のような特徴が見られるそうです。

 

  1. 乳がん患者全体の2,7%
  2. 両側性乳がんの人は少ない
  3. 近親者・家族の中にも乳がん歴がある
  4. BMI値が少ない(肥満状態の人は少ない)
  5. 発見時の腫瘍の大きさが平均よりも大きい
  6. 乳がんの進行度(臨床病期)は2期・3期の割合が高い

 

5と6に関してですが、若年性乳がんの場合は「若い人は乳がん検診をあまり受けないため発見が遅れたり、検診を受けていても見過ごされたりしまうことがある」ということが原因です。
自分で胸の異変に気づく大きさになってから医療機関を受診するため、病期ステージは進行してしまっていると考えられています。
特に妊娠・授乳期には胸の腫瘍に気づきにくいために進行期割合が高く、若年性乳がんの中でも非常に予後不良が多いという結果になっています。
しかし妊娠・授乳期でも、早いうちに発見すれば予後(生存年数)が良好であると分析されているので、普段から胸の異変やしこりなどに注意が必要です。


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