家族性腺種ポリポーシス・リンチ症候群などの遺伝子変異によって発症する大腸がんについて

日本人の女性が多くかかる大腸がんの原因中には、特定の遺伝子が関係して発症しているものもあります。

 

 

遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC・リンチ症候群)は、MLH1またはMSH2・MLH3に遺伝子変異変異があることが原因で大腸がんになりやすくなる病気です。
変異遺伝子をもつ人は、もっていない人に比べて大腸がんになるリスクが60%、子宮がんになるリスクが30%ほど高くなると言われおり、平均発症年齢は44才前後です。

 

人の体は正常な状態でも、毎日1細胞あたりの何10万個というレベルでDNA分子が損傷しています。
体内にはDNA分子損傷を自動的に修復する仕組みが備わっているのですが、リンチ症候群患者の場合はDNA修復能に欠損があることで修復が追いつかず、がん等の病気リスクが高まってしまうのです。

 

HNPCCは50%の確率で子にも遺伝子変異が受け継がれるという研究がありますが、その一方、親がHNPCC患者でなくても本人だけが突然の遺伝子変異で離間する事が確認されています。
HNPCC家系で素因を持つ可能性が高い人は、内視鏡検査やCTスキャンでのスクリーニング検査を毎年受ける事を推奨されています。
大腸以外のがんリスクも高くなることが知られていて、特に日本人を含むアジア人では胃がんのリスクが高まっていることから、上部消化管内視鏡(胃カメラ)検査も予防の為に必要です。

 

 

 

家族性腺種ポリポーシス(FAP・家族性大腸腺腫症)は優性遺伝する稀少疾患です。
10才前後の小児期までに大腸ポリープが数百個から数千個できてしまう病気で、結腸手術(大腸の主要な部分を切り取る)をしないと、40歳までにほぼ大腸がんになってしまう難病です。
APC遺伝子という大腸上皮の働きに関係する遺伝子に変異が見られることでポリープができやすくなり、その他の因子が加わることで悪性腫瘍化すると言われています。

 

家族にFAP患者がいる人は早期から専門医にかかり検査や細胞の組織診断をすることで、病気の有無がわかり対策が立てられます。


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