歯周病に関わる遺伝子と、歯周病のDNA診断治療法の内容について

歯周病にかかりやすくなる遺伝子とは何か

歯を失う原因としてあげられる歯周病も、遺伝子とのかかわりが多いのではないかという研究がされています。

 

歯周病は歯と歯ぐきに歯垢(プラーク)という細菌のかたまりが増えることで、周囲に炎症が起こる病気です。
要因として、歯並びの悪さやホルモン分泌量・糖尿病の影響・喫煙などがあります。
以前は、免疫力を高めて生活習慣を改善すれば歯周病も減らせるという考えが主流でした。
しかし歯周病に関する遺伝子の研究が進み、特定の遺伝子に変異があることでリスクが高まっているという説が有力になってきています。

 

進行した歯周病患者のうち非喫煙者のみを調べたところ、IL-1遺伝子に変異があった人はそうでない人と比べて約20倍重症化しやすいという結果が見られました。
IL-1遺伝子は免疫力と関係していて、その遺伝子多型を持っていると炎症を促進させやすいことから、歯周病以外の病気(円形脱毛症や潰瘍性大腸炎など)にかかる可能性も高くなると言われています。
そう聞くと特別な遺伝子のようにも思えますが、北ヨーロッパ人の約3割がこの変異があるというポピュラーな変異です。

 

その他にも、Fc-Rという自己免疫に関わる遺伝子や、TNFという腫瘍とかかわりの深い遺伝子など、いくつもの遺伝子多型が歯周病のリスクを高めていると言われています。
どの遺伝子変異も、欧米人・中国人・日本人の中に10~30%見られるそうです。

歯周病DNA診断の内容とは

一部の歯科医院で行っている施術の中に、『歯周病菌のDNA診断(歯周内科治療)』というものがあります。
これは前述した、「特定の遺伝子を持っている人は歯周病にかかりやすくなる」という話とは関係ないことです。
患者の遺伝子を調べるのではなく、歯周病菌の種類について遺伝子レベルで特定して有効な薬を処方するという内容の治療法です。

 

位相差顕微鏡とリアルタイムPCR検査により、歯周ポケット内に存在する歯周病菌の種類と数を特定します。
血が出ることがなく痛みもない検査で体への負担は少ないものの、保険診療の適用外なため合計数万円と高額の治療費になります。
1度通うだけでは歯周病菌の駆除はできないので、ある程度の期間は細菌の除去薬を飲み特殊な歯磨き粉を使った上で、最低3回程度は検査をします。

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